RainbowApps顧問が語る、これからのIT教育

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RainbowApps特別顧問でおられるお二人に、教育のあり方のこれからについて語っていただきました。

今の日本の教育、そしてこれからの教育について、お二人が歩まれてきた経歴を元に考えておられることをお伺いしていいですか。

interview_4村上 憲郎氏(元Google米国本社副社長、元Googleジャパン 代表取締役)

私は団塊世代の典型ですが、結論的に言ってしまうと、今は中途半端な時期であると思います。
我々の時代では、いい大学に行き、いい会社に入り、上手に勤め上げるという、全体的に社会のスタンダードコースみたいなものがあって、それに乗った人もそこから外れた人も、なんとなくある意味精神的な安定感があった。
ところが今の社会では、そういうスタンダードコースはもう存在せず、自分がどこにいるのか立ち位置が測れないのではないかと思う。それが一つ。そして教育の方面では、詰め込み教育であろうと、受験のための勉強であろうと、それなりに成立していたの。
が、スタンダードコースが崩壊することで、皆が今の教育のままではダメだと感じるようになったものの、それに代わるメソッドというものがまだ提示されないため、皆が茫然自失という状態になっている感がありますね。

 

教育の目的は、自分が何をやりたいか発見させること。

 

interview_5松本 徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 元副社長 現取締役特別顧問

今の教育現場では、1クラス40人として、教師一人で生徒それぞれの個性を考え、その疑問に答えてあげるなんてできるなら、それは人間技じゃないですよね。教師一人だけで生徒40人全員を知るというのは、かなりの無理があります。だから、今の教育体制というのは、決まった基準を作り、制作した教育要項などに基づいて、とにかく最大多数の最大幸福になればいいでしょうと、やむを得ずそう思ってやっているのだと思います。

ところが、新しいITテクノロジーが誕生したことで、ある意味本当に、教師一人体制教育システムを作っていけるようになったのではないかと思います。教師はいらないということではなく、もはや教師が全部のことに答えてやらねばならないことはなくなった。だって答えは、ネットを探せばいくらでも見つかるのですから。だから教師は、生徒側の立場に立ち、自分の経験をもとに、「それならこのサイトに答えがあるかもしれないよ。」と、アシストをしてあげる。そして生徒は、自分で目的を定める。これが基本コンセプトです。これを実現することが、現在のITテクノロジーでは可能なんです。
なぜなら、教師はトータル的なことを教え、興味のある生徒はどんどん学び、興味のない人は他のことを学ぶ。生徒がこう思うなら、教師はそれを見て、「君はこれやりたいんだね」、「君はあっちの分野だね」、と、こんなふうに、学ぶことの効率も楽しさも倍増します。
こういったことが教育の現場でできるなら、これはもう教育のパラダイムシフトと言えます。ITはもはや絶対不可欠な技術になってきていますし、これはもう疑念の余地はない。ただ、それを実際にどうやって生かし、どうやって理想を実現化するのか、そこに、これから多くの人が叡智を注ぎ込まなければなりません。

 

村上 憲郎氏(元Google米国本社副社長、元Googleジャパン 代表取締役)

学問の方でいえば、松本さんの言うように、知りたいという欲求を出させてくれるのが一番いい。そしてそれと同時に、漢字、九九などの読み書き、そろばんのようなところは、きちんとしていく必要があると思います。なぜだか誰も教えてはくれないんですよね、漢字も九九も、どうして学ぶのか。

 ITはもはや絶対不可欠な技術になってきています。これはもう疑念の余地もない。

 

松本 徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 元副社長 現取締役特別顧問

嫌で興味もなくても、我慢してやるのでないと、どこかで行き詰まるから。知識やスキルの基礎という苦い薬を飲む必要がありますね。基礎がなければ、その時なんでこんなことやらなくてはいけないのかと思って、そこからさらに上に行こうと思ったときに後悔してしまうことになるので、やはり苦い薬を飲ませるということも、教育には必要でしょう。を注ぎ込まなければなりません。

 

IT技術がいよいよ教育の現場へ入って行き、教え方と学び方を変える。

 

村上 憲郎氏(元Google米国本社副社長、元Googleジャパン 代表取締役)

私も、松本さんがおっしゃるように、もはや教えることを教師が体でするのではなく、ITをベースにして教えるということになっていくものだと思います。しかもそれは、生徒にとっての学ぶということとも上手くマッチングしている。教師の役割は全体のオペレーターになるんですね。ITの技術がいよいよ教育現場に入って行き、教え方と学び方を変える。学校で学んだ事を家でもそのまま同じようにできる、そんな状態にしていかなければなりませんね。

 

ではお二人からのご意見として、21世紀の子供たちを幸せにするために、社会の構造も踏まえ、どういった教育が必要だと思われますか?

 

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村上 憲郎氏(元Google米国本社副社長、元Googleジャパン 代表取締役)

私は31歳から英語を勉強し始めたので、とても苦労しました。とにかく英語です!英語だけやれと。国境を超えて、日本語、中国語、英語と、世界中で使われている言語もあるけど、国民国家として閉じていると、だからそれで一体感みたいなものが形成されているかというと、そうじゃありません。そうならないようにしようということで、人工言語を作ってこれを共通語としましょうとやったこともありましたが、これがうまくいかなかった。それで現在は、良い悪いは別として、歴史的経緯の結果として英語が一応公用語になっているわけです。

 

松本 徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 元副社長 現取締役特別顧問

英語が事実上、世界標準言語になったわけなんですね。

 

村上 憲郎氏(元Google米国本社副社長、元Googleジャパン 代表取締役)

その時に注意しなければいけないことは、アメリカ人のような発音でしゃべらないと駄目だとか、文法を守らないといけないとか、そういうのは一切考えなくていいわけです。私は一人でブロークンイングリッシュ同盟を作って、自称委員長をやってるんですが、気にしないで、ジャパニーズイングリッシュを喋ればいいんです。もちろん、発音を全く無視しろとは言いませんが、そのくらいの間違いはあってもいいから、それよりも自分の思いを伝えること。そのためには、英語を学ぶしかないわけです。

 

 本当に質が高い教育はITでないと行えません。

 
松本 徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 元副社長 現取締役特別顧問

はっきりしていることは…、第一に世界は益々、国境のバリアがなくなってくるということです。作り出したサービスをダイレクトに世界に売らないのなら、日本以外のマーケットやサプライヤーに頼らなければならない。ということは、彼らとコミュニケートしようするとき、それが上手く行かないと困るので、日本人以外の人とのコミュニケーションのための能力の重要性が、益々高まってくるわけです。もはや一刻の猶予もないという所まで来ています。そして第二に、英語は今の世の中で標準言語になっているので、発展途上国の人たちもなだれ込んで来ている。英語を喋る人のパーセンテージは益々高まって来ています。第三に、村上さんが言われたのと、ちょっと違うのですが、耳で聞き、彼らにわかる発音で話すというのも極めて重要だと思います。それが全てではないですが。最も重要なのは、そのロジックが一緒であるということなんです。英語でコミュニケーションすることの一番いいところは、英語で話すと、自然と頭の中も英語的なロジックになるので。Yes、Noをはっきりするとかね。そこのところが実はとても重要なんですよ。でもベーシックはコミュニケートするということなので、そうなると、耳で聞いて誤解されないための発音でしゃべるという能力はかなり重要です。

 

それにITはどう貢献していくのでしょう。

 
松本 徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 元副社長 現取締役特別顧問
本当の意味での英語ができる教師が、今の日本では圧倒的に少なくて、生徒がネイティブなみの先生に出会える確率はとても低いと思います。IT教育ならば、本当のプロの先生が、最もいい形に考えに考え抜いたものを使えます。本当に質の高い教育は、ITでしか行えないでしょう。


RainbowApps のやっていることには意義があるのでしょうか?

 

お二人とも

もちろんじゃないですか!ものすごく意義があります。

 

松本 徹三氏(ソフトバンクモバイル株式会社 元副社長 現取締役特別顧問

私が理解する限り、相当レベルの高い人材を育成していると思います。若い時からやらないと、レベルは高くなれません。 例えば、「このアプリケーションだめだ」と、思えば、自分で作り直さないとピンとこなくて自身で新しく制作するレベルのスキルは必要とされるでしょう。


どうもありがとうございました。